FIRE出来たらいいな

『FIRE』(Financial Independence Retire Early)と言う言葉をここ数年でよく聞くようになりました。「経済的自立」と「早期退職」を併せて作られた造語で米国を中心にこういった考えを持つ人が増えています。これまでの日本は終身雇用が基本だった為、多くの会社員は真面目にコツコツ働いて貯蓄をし定年の数年前に会社を辞める早期退職くらいでした。それではなぜ日本で『FIRE』と言う考えが広まり出したのか?そして『FIRE』は可能なのか?『FIRE』出来たらどうなるのか?

なぜ広まり出したのか

一番の要因は「経済的自立」が可能である事を理解し始めたからです。毎日会社に通い定額の給料を貰いその中で家計のやりくりをして老後は退職金と年金で過ごす事が当たり前だと疑う事が無かった日常に変化をもたらしたのはスマホ→YouTube→コロナが大きな転換点になりました。
スタート地点まで遡ればインターネットの普及が一番大きな転換点ですがこれは日本人に限らず世界中にとっての転換点でしょう。
2010年代前半からスマホが急激に普及し情報に触れる機会が圧倒的に増え、YouTubeの視聴数が一気に増えました。手元にあるスマホ一つで収入を得る事が出来る(もちろん簡単ではありませんが)と知りました。そしてコロナによってリモートワークが多くの会社で取り入れられ人々は会社に行かなくても仕事が出来る事を理解します。 本業(会社員)と同じ金額を稼ぐ事は大変な事ですが、会社に所属していなくても収入を得る事が出来ると言う気づきは非常に大きかったと思います。

FIREは可能なのか

可能ですが簡単ではない(というか難しい)でしょう。
どのくらいの収入があれば経済的に自立出来るのか? 簡単に考えればそれまで貰っていた給料と同じ額でしょう。しかし個人事業主として仕事をして行くのならば備品なども自分で購入しなければいけないし、税金や保険料も考えないといけません。ボーナスを生活費の一部に組み込んでいた人ならその分も月割りで計算する必要があります。また将来貰える年金額も会社員時代と比べれば少なくなります。自由を手に入れて同じ生活をしようと思うと給料の1.3~1.5倍くらいは必要でしょう。
現実的にFIREを目指す場合は生活(家計)のダウンサイジングが必要なります。
住まいが賃貸の人は少し狭い(安い)部屋に引っ越しましょう。いつか使うかもしれないと置いている物は断捨離し、書籍は電子書籍に切り替える。また自由な時間が増えると家事を徹底的にやろうとする人がいますがそれも間違いです。家事をやるにも水道光熱費が掛かりますし、そもそも家に居る時間が増えているのでやろうと思えばいつでも掃除は出来るので普段はある程度で充分です。
無駄遣いを無くす事は必然でダウンサイジング以前にやるべき事です。

FIRE出来たらどうなるのか

一番は自由な時間が大幅に増える事です。通勤も無くなるので完全FIREになるとおよそ10時間の空白が出来ます。次に大きいのは人間関係が無くなる(極端に少なくなる)事です。人によってはお金や時間よりここが一番だと言う人もいるくらい人間関係で抱えるストレスは社会問題化しています。定年を前に少しでも早く退職したい人の多くはそういったストレスからの解放が多いと思います。
FIRE出来て得られる物は時間と精神的安定で失う物は人間関係になります。
しかし得られる物、失う物もデメリットになる可能性は考えておくべきです。時間を持て余す人は多いですし、仕事上の人間関係が無くなると特定の人(家族や近しい友人)としか関わらない為に情報や考えが偏ってします可能性があります。会社員時代の友人などはその後も仕事をしている為、FIREした人とは時間が合わなくなります。

FIREした後の暮らし方

FIREに関わらず定年後も同じですが、会社員として時間に追われ仕事に没頭してきた人は急に仕事が無くなると燃え尽き症候群になって日常生活に支障が出る場合が多々あります。この様な状況を避ける為にも30~40代でFIREする人はその後も最低限の仕事かボランティアで多少の人間関係を作る事を考えましょう。趣味だけを生き甲斐に生活するとしても他人とのコミュニケーションを取る事をお薦めします。完全FIREよりも個人事業主として多少の収入を得る『サイドFIRE』か必要最低限の仕事(パート、アルバイト)から収入を得る『バリスタFIRE』にする方が健全だと思います。
『リーンFIRE』と言う質素倹約に努めて生活費を抑える方法もありますがこれは人によって向き不向きがあるので節約、倹約が好き(得意)な人だけやればいいと思います。

終わりに

定年退職や精神的、身体的理由で仕事を辞めるのではなく経済的自立を達成し、心身ともに健康な状態で自由な時間を手に入れる『FIRE』を目指すのは良い事であると思いますが、『FIRE』する事が目的になっていないか気を付けてください。そういう人が燃え尽き症候群やうつ病になり働いていた時の方が良かった言い出します。
大事なのは何の為に『FIRE』を目指すのか?です。
自由な時間を手に入れてやりたい事があるなら『FIRE』するべきです。『FIRE』してからやりたい事を探そうとする人はほぼ失敗します。『FIRE』の先に情熱を傾けられる物が見つかっていない人は会社員として働き続けた方がいいです。会社員でいる事が幸せかどうか分かりませんが、何もない状態での『FIRE』は不幸せだと思います。

自由な時間で不幸にならない事を願います。『FIRE』は自己責任で。
宜しければ応援お願いします(^^)/

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