ラーメン屋もか(-_-)

以前パン屋さんの倒産・廃業が相次いでいる事を書きましたが、ラーメン屋の倒産も加速している様です。原材料の高騰と個人経営である事を考えれば当然と言えるかもしれません。名店で数年修行して独立開業する人がパン屋にもラーメン屋にも一定数居ると思いますが、ラーメンや蕎麦などは「脱サラ」して始める人が多いイメージを勝手に持っています。ラーメン屋の経営の大変さを考えたいと思います。

過去最多

2023年は調査開始以来最多の倒産件数を記録して今後も増えて行く見込みの様です。コロナ禍では助成金もあってか倒産件数は落ち着きましたが、昨年は63件とそれまでの平均からすると倍のお店が倒産しました。パン屋同様に原材料(小麦)価格だけでなく、光熱費・人件費と全てが値上がりし経営を苦しめています。もともと小規模で開業する事が可能な為、他の料理専門店に比べて参入障壁が低いラーメン店は競争が激化しやすい傾向にありました。その結果より良いモノを作り他店との差別化を図る事で生き残ってきましたが、限界に達したと言うことだと思います。

収益構造

ラーメンの原価率は30~40%の為、粗利率は60~70%そこからアルバイトなどの人件費、家賃・光熱費・消耗品などを引いて残りが純利益(約20~25%)になります。家賃や商品の値段によっても変わりますがラーメン店の場合、1日60~70杯が分岐点と言われています。平均で100杯/日売れれば個人経営の小規模店なら繁盛店の部類に入るでしょう。しかし人件費(最低賃金)は毎年の様に上がり、ウクライナ問題以降は原材料の小麦と光熱費も上がり続けた為、元々の収益構造では純利益はゼロになると考えられます。値段を上げて販売数を維持出来れば解決しますが簡単ではありません。店舗数も多く国民食と言われるほどに認知されているラーメンは消費者の中で相場感が出来上がってしまっていて高級路線を除けば1,000円の壁と言うものがあります。掛かる費用を考えればラーメン一杯1,000円が飛び抜けて高いとは思わないですが、食べに行く回数は減る気がします。店側としては販売数の維持が出来なくなり利益が減ります。

パン屋との相違点

両方とも特殊な店でない限り小規模の店が多く、値段の相場がある程度決まっていて原材料も同じとラーメン店とパン屋に共通点は多いです。パン屋には専用の機械が必要ですが作ってストックしておく事が出来ます。ラーメン店は特殊な機械は要らないが来店に併せて作業をする為、従業員のフル稼働が難しい(暇な時間が出来る)事と長時間スープを煮込む為ガス代が高くなる傾向があります。その他に立地や営業時間にもよりますが、一日中来店が見込まれるパン屋に比べてラーメン店はお昼時(11~13時)と夕食時(18~20時)に集中する為、波動(空いた時間)の吸収が難しいです。

生存競争

ラーメンやパンに限らず飲食店は数多く存在します。そのどれもが激しい生存競争を強いられていて必ず生き残る店と消えて(倒産)行く店に分かれます。
飲食店の生存率は
1年後:70%(廃業率:30%)
2年後:50%(廃業率:50%)
5年後:40%(廃業率:60%)
10年後:5%(廃業率:95%)
この数字は他業種に比べてかなり高く競争の激しさと経営の難しさがよく分かります。
2年後に1/2の確率で潰れている事も恐ろしいですし、10年後に5%となると独立開業なんて夢のまた夢です。そしてパン屋同様に体力の無い(売上や資本の少ない)ところから倒産して行きます。
パン屋と違い回転率に限界があり、持ち帰りも出来ない(やる為には更なる費用が掛かる)のに値上げが出来ない(しづらい)となると潰れるの待つしかありません。

終わりに

美味しければ1杯1,000円を超えても食べに行きますが、それでも経営はカツカツでしょう。では2,000円でも食べに行くかと言われたら多少味が落ちても安い方に行くと思います。行列のできる店と規模の大きいチェーン店しか残らない未来がやって来そうです。個人的には行列に並ぶ事も構わないですし、チェーン店でも満足出来ますが、小規模店舗が淘汰され競争が減ると質も下がる(上がらない)事に繋がるのでなんとか消費者は値上げを受け入れて多くの店舗が生き残れる未来になって欲しいと願っています。

敷居の高くない美味しいラーメンをこれからも食べ続けたいです。経営は自己責任で。
宜しければ応援お願いします(^^)/

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