お金について学ぶ事③

前回、前々回に引き続きリベラルアーツ大学（通称：リベ大）の両学長の書籍『お金の大学』で紹介されているお金まつわる5つの力について勉強して行きたいと思います。

増やす力

3つ目は『増やす力』です。 5つの中で『稼ぐ力』に次ぐ難易度ですが、難しいと言うよりは適切に行えるかがポイントで正解（成功）は複数あるので間違い（失敗）を選ばない事を心掛けましょう。
この力を伸ばせない（身に付けられない）人はお金を使ってお金を増やす事に抵抗がある人だと思います。これまでの日本人は保険か預貯金で利息を貰う事くらいしか増やす手段が浸透していませんでした。しかし預貯金は低金利（ほぼ０％）、保険は多少マシですが自身で運用した方がリターンが大きいと思います。

何に投資すべきか

では何にお金を使って増やして行くのかですが、候補として「株式」「不動産」「太陽光発電」「金」「債権」「仮想通貨」「FX」などが考えられますが、正解は一つでは無いので個々で選んで勉強する必要があります。最終的には好きな事でいいのですが選ぶ基準としては失敗の確率が低い（失敗してもダメージが少ない）事が最優先で次いで手間（時間）を掛けない、その中でリターンの良いものを選ぶ事をおススメします。その基準で考えると「仮想通貨」と「FX」はゼロサム（手数料を考えればマイナスサム）なので失敗の確率が高い（負ける人が必ずいる）です。「不動産」と「太陽光発電」は初期投資（借入金含む）が大きいので失敗時のダメージが大きいです。また「不動産」は物件にもよりますがその後の手間も掛かります。残る3つは一長一短で全て手間は掛かりませんが「金」と「債権」は失敗の確率は低いですがリターンは低く（金は今は高い）、「株式」は失敗確率は長期で見れば低いですが短期では分からずリターンは高い（可能性がある）と言えます。
結論としては「株式」「金」「債権」が多くの人にとって始め易いです。ただし資産を増やす事を考えると金と債権は不況時に強い（ディフェンシブ）銘柄なのでこれ一本では増加の期待は薄くなります。やはり株式との組み合わせて運用する方が良いでしょう。

増やす為にすべき事

冒頭でも書きましたがお金を適切な場所に置くことが出来れば高い確率で増やす事が可能です。前段で上げた3つの商品は全て証券会社で取引する事が出来ます。今はスマホ一台でネット証券の開設から取引まで出来るのでまずは証券口座（必ずネット証券）の開設手続きから始めましょう。

余剰資金がある人はすぐに始めても問題ありませんが、余剰資金やその他の貯蓄が無い人はまずはそのお金を貯める事から始めましょう。1つめの『貯める力』です。まずは生活費6ヶ月分を目安に生活防衛資金を確保しましょう。生活防衛資金は収入が（一時的に）無くなった場合に生活をしていく為の費用で可能性として病気やケガ、リストラや倒産と言った理由で一時的に働けなくなった時の備えです。半年分だと不安に思う方もいるかもしれませんが、実際は病気・ケガの場合は傷病手当、リストラ・倒産の場合は失業保険などでカバーされる為、全く働けない状態でも9～12ヶ月は持つと思います。
投資はこの生活防衛資金以外の余剰資金で行う事が一つ目の‟適切”です。

次は商品の取引（買付け）です。
「金」は高値から緩やかに下降し低迷したのちに急に上がるといった事がしばしば起きます。底を見つけるのは難しいので①毎月定額で買い続ける②低迷が続く時期に買い付ける③ある程度上昇してから買うの3つですが、②は少し難しい（勇気がいる）ので①を続けるか③で上昇の初期を逃しても後期に乗り遅れない様にするかでしょう。
「債権」は基本的に買った時点で利益は確定し、後は満期まで保有出来るかどうかです。買うタイミングは当たり前ですが利息が高い時です。日銀は景気が良くなりインフレが続くと物価上昇を抑える為に金利を上げ、物価上昇が落ち着いて景気低迷や長期デフレになると金利を下げます。つまりインフレのピークからデフレに向っている時が買い目です。ただあくまでも債権はディフェンシブ用に保有する事が目的なので基本は時期に関係なく株式の保有割合が多くなれば債権を買い増す事が無難だと思います。
「株式」はリスク（不確実な）資産です。前段で説明した通り長期で保有する事で失敗の確率を減らす事ができる為、株式の長期保有が2つ目の‟適切”です。これが出来ない人は株式投資をやるべきではありません。購入すべき商品は投資信託（株の詰め合わせパック）で今は新NISAのつみたて投資枠で買える商品の中で手数料の安い商品がそれに当たります。手数料（信託報酬）が0.1％を下回る商品の中から自分が投資したい地域の商品を選べば高確率で正解になります。※手数料の安い投資信託が3つ目の‟適切”です。それでも迷う人は①全世界②先進国③米国の3つから選ぶ事をおススメします。理由は今現在伸びているからです。

まとめ

不動産投資や太陽光発電は自身で物件や土地を見て回り、借入金の返済計画から得られる利回りの計算までよっぽど好き（興味がある）か本業として行う人でないと成功するのは難しいでしょう。本業（専業）として取り組むなら「稼ぐ力」と併せて高めて行く事は可能だと思いますが、良い物件に出会える（見つけ出せる）には運と根気が必要です。しかし成功すれば大きな利益を長期に渡って享受出来るので挑戦の価値はあります。
新NISAも始まったので多くの人にとって株式投資が最初の選択肢になるでしょう。しつこいですが適切に運用する事が出来れば将来（老後）の不安はかなり減らす事が出来ますがあくまでも株式はリスク（不確実な）資産だと言う事を忘れずにお願いします。
仮想通貨は現時点では値動きが激しく安定して資産を増やす事には適していませんので、大金を投入する事は控えてください。どうしても買いたいなら資産の一部（5％程度）に抑えるべきです。
FXに片手間で手を出す事は絶対に辞めてください。勉強して専業で取り組むなら止めませんが素人が手を出すと痛い目を見ます。レバレッジが掛けられる分、普通のギャンブルより危険です。

長くなりましたので『守る力』以降の2つは次回にさせて頂きます。お金の勉強は自己責任で。
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