止まらない円安

予想通りではありますが、円安が止まりません。15日の夜にはついに154円台に突入しました。15日に発表された3月の小売売上高が市場予想を上回った事で利下げ期待が後退しドル高(円安)が一気に進みました。日銀はマイナス金利の解除を行いましたが利上げを行った訳ではありませんし、進む円安に対しても注視するなどのコメントは出ますが、具体的な対策(為替介入など)は何もしていません。つまり「円」が安くなっているのではなく、ドルが高くなっているのが実情です。

米利下げ観測

現在株価には将来価値が織り込まれているので利下げを期待(予測)している現状では株価は上がり易い傾向にあります。利下げを行う(もしくは検討される)場面はデフレが続く局面か景気が良くない(消費者の買い控え)時になります。逆の事が起これば利上げもしくは利下げ期待の後退になります。FRBはインフレ鈍化の兆しが見え始めた昨年、利上げを止めて利下げの検討を始めました。市場は今年のいつからそして何回の利下げが行われるのかを株価に織り込み始め、昨年末から今年の1~2月にかけて株価は想像以上に上昇しました。このまま利下げが行われればさらなる株価上昇が期待出来ましたが、冒頭で書いた様に小売売上高が伸びた(景気が悪くなっていない)事で一気に利下げ期待が後退しました。今年の利下げ観測として5月頃から3回が有力視されていましたが今回の発表を受けて早くても9月頃という見方が大きくなり、そして回数も1~2回が有力となりました。
FRBの方針が今後発表される経済指標によって変更する事は充分考えられますが、極端な数字が出ない限り政策の方向転換は難しい為、今の様に上ブレ、下ブレを繰り返すといつまでも利下げも利上げも行われず現状維持される可能性は考えられます。

円”弱”

今の現状は円安ではなく円弱だと思います。ドル高に対して相対的に安くなっているだけでドルが強くて円が弱い「ドル強円弱」の状態だと考えられます。今は歴史的な円安と言われていますが、おそらく数年後にはこの水準が当たり前になり150円台は円安では時代はすぐにやって来るでしょう。
152円を突破した時に為替介入のラインは155円になるのではと言われましたが、個人的には155円でも介入は無いと考えています。当たり前ですが、為替介入は市場に影響を与えますし、何よりも他の国に対して「自国通貨が弱くなった」と言っている様な気がします。経済以外の地政学リスク(ウクライナな中東リスク)を理由とした介入であれば別ですが、利上げもせずに為替介入だけする様な状態では企業の国際競争力も一向に強くならず国力低下に繋がると思います。

終わりに

日銀(政府)は自主的に動かないので円安も円高も米国の経済指標やFRBの金融政策によって決まると言っても過言ではありません。つまり注目すべきは日銀の政策ではなく米国の動向となります。
投資も同じで日本株にも投資すべきとの論調が悪いとは思いませんが、日本企業の収益も米国(FRBや大企業)によって握られている感は否めないのでやはり米国中心の投資の方が理にかなっていると言えます。おそらく今後も物価高と円安は賃金の上昇を上回るペースで進んで行くと予想出来るので有るか無いか分からない賃上げに期待し過ぎずに投資や副業で資産を構築して行くことを心掛けるべきだと思います。

日銀や政府の政策はいつも一歩遅れて始まります。円安対策はお早めに。
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