投資額の決め方②

前回のお話で大まかな必要額が見えてきたと思います。 今回はその額を貯める為にどれくらい(期間・金額)投資すれば良いのかを考えて行きます。

必要額(月額・年額)

2019年に金融庁が公表した『老後2,000万円問題』が話題になり、老後不安や年金制度の崩壊が騒がれました。テレビ等でも大きく取り上げられた為、普段あまりネットに触れない層にも波及しました。
当時の大臣(確か麻生さん)がよく分からない説明(釈明?)をしていた記憶があります。
この問題に関しては言いたい事が多々ありますが、本題では無いので今回は飛ばします。
必要額を計算した人の多くはこの金額を越えているのではないでしょうか?
この金額が少ない(1,000万程度)人は年金額が多く(高収入)、生活費が少ない(節約・倹約家)人になると思います。この様な環境で生活している人は貯蓄(退職金)のみで老後資金は足りると思うので投資は興味が無ければ必要ありません。
必要額は2,500~4,000万くらいの数字になる人が多いと思います。この必要額から逆算すると月額では10~15万程度、年間では120~180万になります。
資産はただ取り崩すのではなく、引き続き運用をしながら取り崩して行きます。そうする事で資産の寿命を延ばせる為、ピーク時の資産が必要額より少なくても足りる計算になります。これが必要額が資産総額と一致しない理由です。

投資期間

投資期間は基本的に一生(始めた時から死ぬまで)です。一生を3つの期間に分けて考えます。
・入金期間:資金を入れ続ける事に注力する(主に現役時代)
・待機期間:入金を止め、取り崩しを始めるまで(リタイア後~年金受給まで)
・取崩期間:定額もしくは定率で取り崩す(老後)
退職(リタイア)後、すぐに年金を貰う人は待機期間がありませんが、それは問題ありません。重要な事はルールを決めてそれを守る事です。世の中の経済状況や家庭での問題など予測と違う局面ではルールを変更しても大丈夫です。変えざるを得ない状況では臨機応変に変えますが自分の都合で変更する事は避けましょう。

入金期間は一番重要ですが入金額をただ増やす事ではなく、決めた金額を毎月積み立てる事に重きを置いて余剰資金(ボーナスなど)が出来た場合も一部は自分や家族の為に使う方が上手く行きます。

待機期間は定年後に嘱託やアルバイトなどで仕事を続けても収入が現役時代には及ばない事が多いです。この期間については無理な入金はせず運用のみ行います。老後に向けて生活を整える期間と捉えて仕事が無い日々をどう生きるかゆっくり考えましょう。

取崩期間はいよいよ最終段階です。大事な事は2点、①これまで通り運用は続ける②ルール通りに取り崩す。 取り崩しの方法は定額や定率もしくは必要額のみなど色々ありますが、個人的には定額をお薦めします。 定率は毎年の金額が変わる為、株価下落時は節約など考える必要がありますし、必要額のみはその枠内におさめようとする意識が働き、使いそびれる可能性があります。 定額は下落時に資産の減少が速くなり不安もありますが、取崩期間に入ってもそこから20年は運用するので株価が持ち直す可能性は高いです。少しでも若いうちに使う方が価値が高いと思うので定額がベターだと思います。

投資額

これまでの考えをまとめ、投資額の設定をします。必要額や入金期間は各々で違うので該当する数字で計算をしてください。こういった試算を行う時によく使われる期待リターンは3~7%ですがここでは5%をベースに考えます。現在は米国が強力で7%以上も考えられますが、取崩期間に値動きがマイルドな全世界などに変更するならば平均して5%くらい、細かい計算が好きな人は各々で試算するのもありです。(入金期間:7%・待機期間:5%・取崩期間:3%など)

取崩額が25年間で月10万円(120万/年)と月15万円(180万/年)場合に積み立てる額
30歳:月2万円(24万/年)・月2.5万円(30万/年)
40歳:月4万円(48万/年)・月5万円(60万/年)
50歳:月10万円(120/年)・月13万円(156万/年)

30歳は余裕があり、40歳は浪費をしなければ大丈夫、50歳は結構厳しい数字と感じます。
しかしこれは積立投資のみでそれまでの貯蓄や退職金等は一切含んでいません。
例えば50歳の人でも60歳で退職金1,000万円を投資に回せるなら月7万円の積立で15万の取り崩しが可能で、退職金を使わなくても現在貯蓄があり300万を50歳時点で一括投資出来るなら月10万円の積立で15万の取り崩しが可能です。

まとめ

ここまで上げた数字は一例で人それぞれの考え方はありますが、目標額を達成できる事がよくわかります。早く始めれば少額でも可能性は高いです。収入を全て使い切り貯蓄が全く無い人は投資の前に毎月貯蓄をする習慣をつける事から始める必要がありますが、月々の貯蓄が出来ている人はそれを銀行ではなく、証券口座に移すだけで人生(老後)が変わります。激変すると言っても過言ではありません。
節約、倹約に努め投資額を増やす事が出来るなら早期リタイアも十分可能で、お金の悩みと煩わしい人間関係から早く解放されたい人は頑張る価値は非常に高いと思います。
『毎月5万円の積立投資』これを一つの目標として頑張りましょう。

積立投資はルールを守る事が第一です。投資はあくまでも自己責任で。
宜しければ応援お願いします(^^)/


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