1ドル=153円!!

注目の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回った事で利下げ期待が後退し米3指数は揃って下落、10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は一時153円台に突入しました。11日の東京市場も影響を受けて、日経平均は下落ドル円は再び153円を付けました。この先「円」はどうなって行くのでしょうか。

首脳会談

150円を超えてからじわじわと円安方向に動いていた為、円安に動くことへの驚きは少ないですがワシントンで日米首脳会談が行われている日に1.5円も円安に振れるのは何か怪しい感じがします。日米両政府ともに過度な円安(ドル高)や円高(ドル安)を望んでいないのにここまで急に進むのは大きな力が働いたと疑いたくなります。
しかし裏金問題などで支持率の低下に悩む岸田首相の点数稼ぎ(パフォーマンス)とも思える訪米は重要なイベントとも思えません。偶然なのでしょうか。
一方、韓国では日韓関係に前向きな尹大統領が率いる与党「国民の力」が総選挙で惨敗を喫しました。野党が議席の過半数を占める「ねじれ」状態が任期満了まで続く事になり、今後政策・法案が通らない可能性が高くなりました。米国がインフレ、韓国が混乱、日本が円安と日本にとってよろしくない事が目白押しです。

円安は続くのか?

日銀の上田総裁がマイナス金利の解除を発表し、賃上げと物価高を背景にいよいよ利上げに舵を切り始めようとしましたが、一向に円高に針が振れません。本来、日本に利上げ期待があれば為替は円高に振れますが、円安に振れると言う事は市場は利上げを信じていない(もしくは対して上がらない)と考えているからです。日銀も利上げの方向に動くと言っている以上、露骨な為替介入はしないでしょうからこの先も少しずつ(もしくは急速に)円安に進む可能性は非常に高いと思います。1ドル=160円以上を見据える時が来たのかもしれません。

日本経済

円安のプラスの影響としてインバウンド需要があります。これは確かに大きなメリットで観光地の飲食店などは直接恩恵を受ける事が出来ます。しかしそれを外で使おうとすると円安は逆の働きになる為、海外旅行などの需要は中々復活しないでしょう。 何よりも日本が抱える大きな問題として高齢化社会があります。リタイアした高齢者は賃上げなど関係無いのでただただ物価上昇の影響を受ける事になります。高齢者の生活が苦しくなると自民党の票に影響が出るのでおそらく年金生活者や住民税非課税世帯への補助がこれまでよりもさらに手厚くなり、その財源は現役世代からの上納金になるでしょう。現役世代の買い控えが起こると経済は停滞、賃上げのストップに繋がります。このままでは日本経済はかなり厳しい局面に向かっていく事が想像出来ます。

終わりに

この先、為替がどこまで動く(進む)のか分かりませんが、1ドル100円や120円の時代はもう来ないと考えた方が無難だと思います。利上げや利下げの影響は当然大きいですが、通貨が高くなる(日本の場合は円高)のは「経済が強い」「信用が高い」事の裏返しです。つまり日本の経済が弱って行く事が想定され、信用が低いままなら円高に振れる可能性は(ほぼ)ありません。どちらか一方を無視する考え方は良くないですが、少なくとも数年程度でこの状況が改善されるとは考えられないし、何よりも米国企業の成長に期待してS&P500やナスダックに投資をしているなら相対的に日本が弱くなる(少なくともドル円は)と考えるのが自然です。これからは円安ドル高を想定してドル建ての資産は極力、手放さない様に運用して行こうと思います。

円(日本)を信じますかそれともドル(米国)を信じますか?為替展望は自己責任で。
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