色々な投資方法が議論(勝手に言ってるだけ)されていますが、その一つに配当金(分配金)目当ての投資があります。 高配当や連続増配、商品によっては両方(配当と値上がり)狙えるなど様々な株やETFがありますが、実際はどうなのでしょう? 今回は配当の素晴らしさが分かる!?かもしれないお話です。
配当金(分配金)とは
配当金とは会社が利益の一部を株主に還元してくれるお金です。投資信託から支払われるお金を分配金と言いますが、ここでは配当金に統一します。売上から仕入れ代や人件費、その他様々な経費や税金を支払い最後に残ったお金を純利益と言い、会社はこの純利益を設備投資(新しい事業など)、内部留保(貯蓄)、配当金の3つに振り分けます。株さえ保有していればそれだけで手間を掛けること無く貰えるのが配当金です。不労所得と聞いて配当金が最初に思い浮かぶのも手間が掛からない事が大きな要因です。
高配当は金額の多さではなく利回りの高さ(1株配当÷株価×100)%で表します。よって配当金額が変わらなくても株価が下がれば高配当になります。
連続増配は配当金額が毎年上がる事で、配当金の支払いは日本企業は年2回、米国企業は年4回に分けて支払う事が多いです。そのうちの一回でも前年より上がれば連続増配となります。長期間増配している企業は業績(株価)も安定傾向にあり、投資家からの人気も高いです。
高配当の銘柄は日本株にもありますが、連続増配銘柄は米国が圧倒的に多いです。
高配当投資
高配当投資は配当利回りを重視する為、株価が下がった(利回りが上がる)タイミングで買う事によって利回りを高める事が出来ます。高配当の目安は4~5%でこの配当利回りを安定的に維持出来ていると高配当銘柄と呼ばれます。高配当投資は目先の利益に重点を置き株価の値動きは気にせず、株価が下がった時はさらに買い増しをして利回りを高めて行きます。将来(老後)資金の目途が立ちリタイア(定年も)して定期的な収入が無い人に向いていますが、配当金を生活費のベースとして考えるやり方は減配やインフレのリスクを考えると高配当に偏り過ぎるのは怖いです。 もし配当金で生活する事を考えているならポートフォリオ全体の利回りとしては3%くらいが妥当だと思います。
連続増配銘柄への投資
配当を出すだけではなく減らさずに連続で増やし続けている銘柄への投資も非常に人気が高いです。米国では25年以上連続して増配を続けていると配当貴族、50年以上続けていると配当王と呼ばれこれらをまとめたETFなどもあります。連続増配を続けると言う事は業績が安定し、株主還元意識も高い事が分かります。米国では会社は株主の物という意識が高く、株主を無視した企業経営をしていると簡単に社長を交代させられます。株主軽視ではありませんが、アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズが一度、会社を追い出された事は有名です。その為、経営陣は業績を上げ続けるか、しっかりとした株主還元政策を行う必要に迫られます。長期で連続増配を行うにはそれぞれの分野で高いシェアを持ち、安定した収益を上げる必要があるので爆発的な成長が見込めるかと言われれば難しいと思います。有名どころではジョンソンエンドジョンソン、P&G、コカ・コーラなどが日本人にも馴染みの銘柄も多いですが、テスラやネットフリックスの様な急成長は見込めません。
配当目的の投資はアリか?
これに対する答えは『アリ』です。 配当金という不労所得を得てプチ贅沢をしたり、生活費の一部を賄ったりする事で日々の暮らしが豊かになる事は素晴らしいですし、それ以上を求めて仕事や投資に対するモチベーションが上がるのであれば尚良いと思います。少額であっても配当金が入金されると不労所得を得ている実感が沸き何とも言えない嬉しさがあり、配当金でする贅沢は普段の贅沢(節約や労働所得から捻出)とは違う『本当の贅沢』だと感じます。心が豊かになる贅沢をする為(もちろん生活費に使う事も含めて)の配当金投資は間違いなくアリだと思います。
資産を大きくする事だけを目的に株式投資を行うのであれば配当金の出ない企業(株価成長狙い)や自動で再投資をしてくれる投資信託を買うべきです。投資効率を考えればこれは間違いありません。配当再投資という戦略は『税金』『効率』『手間』の観点から意味はありません。
ただし、現役時に投資信託のみで運用し引退後(老後)に配当金投資に切り替える戦略を考えている人は慣れる期間が必要になるので早い段階から資産の一部を配当目的の銘柄に投資することを考える必要があります。
まとめ
通常、配当金は純利益から支払われ為、配当を出しても企業の本業は揺るがない(次年度も同様の利益がでる筈)です。中には増配の維持や減配による株価の売り(下落)を避ける為に赤字になっても配当を出す企業はあります。赤字の原因が特別要因による一時的な物であれば大丈夫ですが、本業に原因がある企業が無理をしているケースも考えられます。そういった企業の見極めを怠らない様にしてください。
配当金は『今の生活』を豊かにする為に使うべきだと強く思います。節約して投資、その配当金を再投資していては心も生活も貧しくなって将来、使うべき時にも渋ってしまいます。資産(お金)を増やす事は大事ですが、使うことも同じくらい大事です。いずれ使う為にお金を貯めているなら今のうちから上手に使うことも勉強しておきましょう。
配当金には夢があります。ただし投資はあくまでも自己責任で。
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