春闘さらなる格差と矛盾

春闘の集中回答日となった13日ですが、大手企業は満額回答が相次いで岸田首相や経団連、連合のトップは安堵しているところだと思います。問題はこの先中小企業や地方企業にまでその流れが波及するかです。ニュースでは賃上げが厳しい中小企業経営者やその従業員の話しなどが流れていますが、ネット記事の見出しだけ見ていると数万円単位で昇給してると錯覚させられます。今回は賃上げの現状を理解し、中小零細企業の今後を考えて行きたいと思います。

満額回答

大手企業では業種問わず満額回答が相次いでいます。自動車関連ではトヨタの満額回答は想定通りですが、ホンダは期日前に早期で満額回答、スズキは要求を超える回答を出しました。電機大手でもパナソニックや日立がいずれも前年の要求を上回る満額で決着など賃上げの機運を高める様子を見せています。その中でも驚異的だったのは三菱重工業と日本製鉄の2社です。三菱重工業は一時金と併せた増収率は8.3%と昨年の7.0%を上回りここ20年で最高の水準でした。2年で15%以上のアップは人的資本のアップとしては異常な数値だと思います。日本製鉄も増額率が約12%、定期昇給を含めると14%超とこちらも異常と言えるアップ率です。零細企業なら10年掛かっても上がるかどうか分からない数字でしょう。

中小零細企業

中小企業の賃上げ交渉はこれから本格化していきますが、どうなのでしょうか? 質問やインタビューに答えている経営者の声のほとんどが厳しいものでした。優秀な人材の確保(維持)は中小企業の方が死活問題で可能な限り賃上げをしたい経営者は非常に多いにもかかわらず出来ていないの現状です。ライバル企業との価格競争が厳しく値上げが難しい(価格転嫁出来ない)、昨年の賃上げで余裕が無いなどが大きな理由となっている様です。人材(特に優秀な)の流出が始まれば立て直しは困難で賃上げどころか倒産の危機に直面する可能性もあります。

格差

全企業数から見た中小企業数の割合は99.7%、従業員数で見れば約7割の人が中小企業で働いています。つまり中小企業(+零細企業)で働く人の給料が上がらないと日本の景気(経済)は本当の意味で上昇しません。そして上がったとしても大企業で働く人はそれ以上に上がっている為、格差は広がって行きます。残念ながら景気が悪い(デフレ)方が格差は広がらず、多くの人が少しずづ不満を抱えている状況で我慢する事が身に染み付いています。(同調圧力なのか、日本人の国民性なのか分かりませんが)。つまりこれまでの20~30年の状態の事ですが、景気が長期低迷すると満遍なく不幸になり、良くなると格差が広がり下位はさらに不幸になります。
つまり大企業(そこで働く従業員)に富が集中する事態がこれからやって来ますがこの格差を無くす事は不可能でしょう。なぜなら大企業に厳しく、中小企業に手厚い政策を実行しても大企業にぶら下がっている中小零細企業が余りにも多いため、結局煽りを受けるのは弱い立場の会社です。

矛盾

中小企業に勤める自分としては景気が良くなるの嬉しいが格差が広がり相対的に不幸になるのは嫌と言う矛盾を抱えていますが、投資をする側としては大企業やそこで働く人達が頑張ってくれる(業績を上げる)事で恩恵(株価上昇)を受ける事が出来る為、応援せざるを得ないと言う矛盾を抱えています。割り切れればいいのですが、それが中々出来ない無いのが人間という生き物です。この矛盾から解放される方法は大企業に勤めるか仕事を辞めて大企業を応援するだけの立場(FIREや早期退職)になるかしかありません。現実的に考えれば前者は無理なので消去方で後者になります。

終わりに

この先、矛盾を抱えて生きるか、矛盾に気づかないフリをして生きるか、外から見守る(FIRE)か、皆さんはどれを選びますか? 私は気づかないフリは出来ないので矛盾を抱えながらFIREを目指して頑張ります。自分の勤める企業は賃上げの期待は持てず、生活にも余裕は無いので節約と倹約で凌いでいくつもりですが、他社(特に大手)の賃上げの煽りで経営が傾く可能性は否定できません。諦めている訳ではありませんが、自分の力が及ばない事にまで気を回してもどうにもならないので出来る事を一生懸命やって行こうと思います。

矛盾でも資産が増えれば心が落ち着きます。厳しいですが、労働環境の改善は自己責任で。
宜しければ応援お願いします(^^)/

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