投資のタイミング

新NISAの開始によって2024年が投資元年になった人は多いと思います。口座開設数も順調に増えており1月のネット証券5社(SBI、楽天、マネックス、松井、auカブコム)の合計は過去最高で90万口座の開設がありました。ただ多くの人がまだ口座開設をしていなかったり、開いたのに投資を始めてない人もいる様です。やり方が分からないと言う人もいるでしょうが、中にはタイミングを窺っている人も居る様です。世界的に株高が進んでいて、尚且つ基軸通貨ドルに対して円安の状態が続いていると投資に対して二の足を踏む人の気持ちも分かります。今回は投資のタイミングについて考えたいと思います。

結論

まずは結論ですが、これは間違いなく今すぐです。理由はいくつかありますが一つは簡単で長期投資を考えるなら最終的に株価が上がる事を期待する訳ですから、今の方が安い株価になります。もう一つは今回説明したい事ですがタイミングを計っても得られる結果の差がそこまで大きくないと言う事です。

前提と5つの買い方

市場全体に投資するインデックスファンドの様に分散の効いた商品でポートフォリオを組み長期運用する事が前提になるので個別株や癖のあるアクティブファンドで爆益を狙う人は別の方法(むしろタイミングを重視)で考えて下さい。

シュワブ(チャールズ・シュワブ:米証券会社)の金融研究センターの発表が非常に分かり易く纏められています。対象は2022年までの20年間にS&P500へ投資した場合の検証結果になります。

①「パーフェクト」は天才的なスキルと運を持っていて年に一回、終値が最低水準の日に2,000ドル投資する事を20年間繰り返しました。
②「アクション」は何も考えず毎年最初の取引日に2,000ドルを投資する事を20年間続けました。
③「マンスリー」は2,000ドルを12回に等分して毎月初めに投資する事を20年間続けました。ドルコスト平均法です。
④「ロットン」は非常に運(タイミング)が悪く、パーフェクトとは逆にその年の最高値の日に2,000ドルを投資する事を20年間続けてしまいました。
⑤「リンガー」は株式には投資せず米国債券を20年間買い続けました。

結果

結果は想定通り①の成績がトップで以下番号順になりました。この方法を約100年前の1926年まで遡り、20年周期を計78回のパターンで検証した結果、78回中68回(87%)で同じ順番になりました。
残りの10回についても投資がずっと最後だった訳ではありません。実際の研究は20年間以外にも30、40、50年で検証されていますが、すべての期間で同じパターンを記録しています。

そしてもう一つ興味深いのがその成績です。
当初の2022年までの20年間の成績は元本合計4万ドル(2,000ドル×20年)の投資に対して
①138,044ドル
②127,506ドル(①に対して92%)
③124,248ドル(①に対して90%)
④112,292ドル(①に対して81%)
⑤43,948ドル(①に対して32%)
この数字には衝撃を受けました。そもそも今回の検証パターンにおいて①の投資を継続する事はほぼ不可能(④も同様)で②か③のパターンしか現実味はありません。その両者も20年で差はたったの2%しかない(ありえない①と比べても10%)事を考えるとタイミングを計る時間がもったいと思えてしまいました。

まとめ

直近の20年以外では②と③の差がもう少し大きくなる事もありますが、将来の人生設計に狂いが生じるほどの差ではないでしょう。むしろタイミングを計る事に時間を掛けるよりもその時間で稼ぐ事を考えて入金力を増やす事の方が、将来に大きな差を生む事になると考えられます。そして今回は触れませんでしたが、投資期間が伸びればその差は大きくなって行きます。やはり長期投資を考えるならば思い立った日からすぐに始める事が正解(100点でなくても80点以上は取れる)なのだと思います。

長期で行うインデックス投資の唯一の弱点はやらない事です。踏み出す勇気は自己責任で。
宜しければ応援お願いします(^^)/

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