投資とギャンブル

2024年より新NISAが始まりましたが2014年にNISA(一般NISA)が出来た頃は積立の概念はほぼ無く、多くの人にとって株式投資と言えば買って売ってのデイトレードやFXで一発当てたなどギャンブル要素の強い話がほとんどでした。そもそもお金を使ってお金を増やす行為はギャンブルであると言う認識が強かった様に思います。唯一宝くじはみんなが買うからなんとなくギャンブルとは言わない風潮がありますが、間違いなくギャンブルです。今回はギャンブルの売上や回収率からお金の事を考えたいと思います。

公営ギャンブル

ギャンブルと聞いて多くの人がイメージするのは競馬や競艇、パチンコといったところではないでしょうか。その認識は間違っていませんが、日本では法律により特殊法人や地方公共団体による施行が許可された賭け事の事を公営ギャンブルと言い競馬(中央・地方)、競艇、競輪、オートレースの4つがそれに当たります。またそれぞれに管轄官庁があり競馬は農林水産省、競艇は国土交通省、競輪とオートレースは経済産業省が管轄しており、中央競馬は特殊法人である日本中央競馬会が施行し、それ以外は許可を得た市町村などの地方公共団体に施行権が与えられています。日本では公営ギャンブルは認められているが、それ以外で金銭を賭ける行為は原則禁止とされています。つまりパチンコ(スロット)は公営ギャンブルではない為、違法行為(違法賭博)に当たります。

競馬

中央競馬は過去(1990年代)に4兆円の売上を記録して以降、12年間の下落を続け45%もの売上減に陥りました。しかしその後2023年まで一度も前年を下回る事なく上昇してきました。過去最高にはまだここから25%の上昇が必要ですが、安定的に回復を続けています。
一方地方競馬はどうかと言うとこちらも順調の一途で、売上(約1兆円)は中央競馬にはまだまだ及ばないですが、上昇率は素晴らしく特にここ10年の成長は目を見張る物があり、ほぼ全ての競馬場で売上が伸び続けています。ひと昔前までは地方競馬は大井競馬場の一強で廃業を噂される競馬場も多かったですが、見事な回復を見せています。

競艇

競艇もここ10年売上の伸びは順調で2019年までは堅実な伸び方でしたがコロナ禍でネット投票が伸びた事とこの頃から有名人を使ったCMをよく見る様になりました。その結果2020年には前年比35%アップと驚異的な伸びを記録しその後も堅実的な成長を記録しています。公営ギャンブルでは中央競馬に次ぐ売上で10年前は中央競馬の40%弱程度でしたが、今では75%にまで迫っています。
競艇は年間で約6万レースと他競技よりも圧倒的に多いレース数を背景に今後も堅実な売上が期待出来るのでないでしょうか。ちなみにレース数は地方競馬の約4倍、中央競馬の約15倍にあたります。

競輪

競輪は中央競馬同様に1990年代に最高売上を記録し、その後は下落に転じました。しかし競馬と違い低迷からなかなか抜け出せずに約30年が経過しました。日本経済の様に低迷が長く復活は難しいかと思われましたがこちらも競艇同様にコロナ禍以降、回復に転じました。ネットでの投票を呼び掛けるCMは最近非常によく目にします。売上はここ3年2桁成長を続けており2022年には1兆円にまで戻しましたが過去最高から見ればまだ半分程度のなので更なる上昇を期待したいです。ネット投票が根付いた今、ここからの売上増には更なる改善案が必要になります。その中でもガールズケイリンの発展は業界成長の一翼を担うのではないでしょうか。

オートレース

売上推移は競輪と全く同じで1990年代をピークにその後は下落の一途、上昇に転じたのも同じコロナ禍の2020年からで自助努力よりもスマホの普及とおうち時間が増えた事でネット投票が増えたからです。この3年は伸びましたがここからが正念場でしょう。他の公営ギャンブルの売上が1兆円を超える中、オートレースは約1,000億円と1/10に留まっています。売上規模が小さい背景はオートレース場が全国で5場と他競技に比べて圧倒的に少ない事です。また控除率が他は25%なのに対してオートレースは30%と高い事も売上低迷の一因であると考えます。控除率とは簡単に言うと胴元(親)の取り分の事で控除率が25%であれば残りの75%が購入して人に払い戻される事になります。つまりオートレースは掛け金に対して払い戻される額が他よりも少ない事になります。特別レースなどで控除率が変わる事はありますが、ベースは他よりも5%高い事になります。

まとめ

上記4種を併せた公営ギャンブルの売上規模は約8兆円にも上ります。これはドラックストア業界に匹敵する規模で人々の娯楽として確固たる地位を築いていると言えるでしょう。各競技ともにスマホで投票券が購入できて中央競馬以外は平日やナイター開催もある為、空いた時間や会社帰りなどに見る(買う)事が出来る為、敷居も低くなっていると思います。控除率が25%(オートレース以外)である為、全体の回収率は75%なので完全なるマイナスサムゲーム(勝った人と負けた人の合計が必ずマイナス)の為、賢明な投資家は絶対に手を出さないでしょう。今後出来るであろうカジノが大きな敵となり各競技はもう一度大きな危機に直面する事は間違いなく、住み分けが出来て落ち着くまでしばらく時間が掛かるでしょう。ただ個人的には競馬や競艇はテレビやYouTubeで見ていて大好きなので今後も続いて欲しいと願っています。
冒頭でパチンコの事を違法賭博と書きましたが、グレーゾーン(抜け道)の為違法ではありません。パチンコ業界は公営ギャンブル以上の金額が動いているのでいずれ取り上げる予定です。その時にグレーゾーンの事もお話しさせて頂きます。

公営ギャンブルは賭け金以上にドラマチックで面白いです。ギャンブルは自己責任で。
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