倒産止まらず

パン屋の倒産件数が急増し、年度で最多を更新していると言うニュースがありました。コロナ禍では中食(テイクアウト)需要もあり、人気になりましたがここに来て倒産件数が急増(前年度比85%増)しており、経営状態の苦しさが浮き彫りになりました。町のパン屋さんは根強い人気があり、地域からも愛され長い間経営している様に思います。ここに来て倒産が急増している原因と実態を考えたいと思います。

コロナ禍

コロナによる影響は一定程度あったと思われますが、コロナ禍でもテイクアウトが出来る事、個包装で販売し易い事、さらには飲食店同様の支援が受けられていたので居酒屋などの業態に比べれば影響は少なかった様に思います。実際に2020年度は1件、2021年度は3件でした。もちろん体力(それまでの蓄え)もあったと考えられます。

原因

では原因はなんだったのか?
物価高が一番大きな要因でしょう。ロシアによるウクライナ侵攻以降、燃料以外にもパンの原材料である「小麦」「バター」「牛乳」の価格は上昇、国内は鳥インフルエンザも重なり「卵」の価格も高騰、パンを製造する上で上がらない物がないくらいの状況でした。そして焼きたてのパンは賞味期限が短い為、廃棄率が高くなる事も利益に影響を及ぼします。
町のパン屋さんはよく行く店以外はあまり気にして見ないので分かっていませんでしたが、高級食パンの店が一気に無くなった事は気になっていました。
不況が原因の倒産がほとんどで、倒産のしたパン屋さんのうち8割以上が従業員5名未満の小規模経営であった事を考えると単純に体力(資金)の無い店から順番に倒れて行った様に見えます。燃料費は少し落ち着きましたが物価高は収まっておらず、さらに賃上げによる影響はここから大きくなると考えられます。連合や経団連は過去最高クラスの賃上げが行われたと意気揚々に会見をしていましたが、賃上げと最低賃金の上昇がこういった小規模経営の会社に与えるダメージの大きさは計り知れません。

今後は

2024年度の倒産件数はさらに増えるでしょう。小さいほうから順番に倒産して行くと今年度はある程度の規模のパン屋が倒れて行くことが想定されます。件数もそうですが、失職する人数が大きく増えることが考えられます。商品の値上げは行われていますが、結局は客離れとの綱引きになりもし失敗すれば耐える事が出来ず、倒産に向かうでしょう。私もパン屋さんには行きますが、値段を見て「ん?」と考え込む事があります。次回以降は行く事に悩み来店回数は確実に減っています。多くの人の消費行動はおそらく似通っており、一度離れた客を戻すのは並の努力では無理です。他業種同様に二極化(大手と一部の中小だけが生き残り、あとは淘汰される)していき、働いている人にとっては厳しい事が想定されます。

まとめ

燃料や原材料の高騰が落ち着いても大きな恩恵を受けるの大量仕入れをしている大手で小規模店舗が生き残れるかは正直、運次第と言えます。町のパン屋さん無くして業界の盛り上がりは無いと考えるのでどうか多くの小規模店舗へ仕入れ価格の安い商品が先に回るような政策が出来ないものかと思います。大手にも雇用と言う問題はあるので簡単には行かないですが、業界に関わらず小規模経営の店や会社が生き残れないと日本経済の魅力はどんどん無くなって行くと思います。パン屋の倒産は氷山の一角、終わりの始まりはありとあらゆる業種で燻っています。手遅れになる前に手を打たないとさらに大きな倒産の波が津波となって襲ってくると思います。

美味しい(応援したい)店なら値段が上がっても買います。適正な価格競争は業界責任で。
宜しければ応援お願いします(^^)/

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