中国の低迷は世界の危機か!?

中国は現在、春節(旧正月の大型連休)で国内外への移動が活発に行われ個人消費の持ち直しを言われていますが、現在中国が抱える経済的な問題は大きく習近平政権としては正念場を迎え、引いては世界の経済にも大きな影響を与えかねない状況です。中国の抱えるの問題を見て行きます。

1,000兆円消失

一つ目は3年間で7兆ドル(約1050兆円)の時価総額が消失(株価暴落)しました。あまりピンと来ない数字ですが、これは日本とフランスのGDP(国内総生産)を合わせた数字に匹敵する額になります。普通の国であれば国家存亡の危機に直面するほどの規模だと言えます。これまでの驚異的な経済成長を成し遂げてきた中国の成長率が鈍化する事は当然(と言うか仕方ない)ですが、ここ数年は過去数十年で最速のペースでデフレが進んでいます。

投資額の激減

二つ目は外資企業による中国への直接投資額が前年比で82%減(約27兆円マイナス)の330億ドル(4兆9000億円)まで落ち込みました。新規の投資が減ったのはもちろん、撤退や縮小で資金の回収もありました。中国経済の低迷もありますが、大きいのは改正反スパイ法の施行でしょう。極論で言えば少しでも中国に不利益がありそうならこじ付けの罪で引っ張る(逮捕する)事を平気でやる様になりました。

香港問題

香港は以前「アジアのロンドン」と言われるくらいの金融都市で世界中の金融機関が支社を構え栄華を誇っていましたが、中国当局が実質的に支配を始め様々な条例を押し付けた事でまともな企業は大きな制約(理不尽な法律)を強いられる事になりました。先日は香港の政治活動家でカナダに(事実上)亡命中の周庭(アグネス・チョウ)さんが指名手配され「もう一生香港には戻らないと」宣言されました。他にも多数の人が香港警察(引いては中国当局)に不当な拘束を受けており非常に残念ですが、香港はもう元には戻らないでしょう。

失業率

米国の失業率(雇用統計)は投資界隈では当たり前の様に目にしますが、中国の失業率を見かける機会は少ないです。しかし実情はかなり酷い状況で、何よりも目を引くのが若者(16~24歳)の失業率が昨年12月で14.9%と発表されました。若者の約7人に1人が失業している事になります。しかしこの数字には非常に怪しい部分が多く、統計局は昨年7月から約半年に渡って失業率の公表を停止していました。理由は調査方法を見直すとの事でしたが、停止前の6月の若者失業率が21.3%で過去最悪を更新したタイミングでの見直しは明らかに数字良く見せる為に調査方法を変更したと考えるのが妥当だと思います。若者の5人に1人以上が働けていない事は国としてあまりにも大きな問題でそれが16~24歳と言う事は大学もしくは大学院を卒業した新卒も仕事が無い事になります。以前、中国の地方都市の公務員の倍率が3,000倍というニュースが流れていましたが異常以外の言葉が見つかりません。ここ十数年、世界の経済成長の大部分を担ってきた中国ですが、いよいよ大きなひづみが出てきたと思います。

終わりに

リーマンショック以降10年以上に渡って成長してきた米国から次は日本だ、新興国だと言う人がいますが、中国の例を見ればいかに危ういかが分かると思います。インドはそんな事は無いと考える人もいますが低くないリスクが確実にあります。中国だけでなく過去の日本も高度経済成長を経てバブルが弾け長期低迷しました。長期低迷は日本の政策の問題もあったと思いますが、やはり急成長だけで上手く行く国や市場は無いと思います。インドが中国の二の舞にならない事を願いたいと思います。

中国の若者の未来が奪われない事を願います。中国経済への期待は自己責任で。
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