老後2,000万円問題がメディアで取り上げられて以降、将来の資産形成の一助としてつみたてNISAがメジャーになり、その方法としてクレカ積立が一般的になりました。ネットで買い物をする感覚で気軽に投資が出来てポイントも貰える、投資初心者や若年層にとっては投資の敷居が低くなったのではないでしょうか。各社が新規口座開設者を獲得する為に次々とお得な制度を打ち出しています。
今回はクレジットカードでの積立とポイントについて考えたいと思います。
クレカ積立の基礎知識
クレカ積立は同一の商品(投資信託)を毎月一定額買い続ける事でつみたてNISAとの相性が非常にいい為、一気に普及しました。つみたてNISAの毎月上限33,333円(40万円/年)がクレジットカードの金融商品の購入上限(5万円)で買える事から証券会社もポイント付与などに力を入れて新規顧客獲得を目指しました。
※積立は毎日なども可能で、クレカの金融商品購入上限は厳密には10万円です。
それぞれの証券会社で積立に使用出来るクレジットカードは決まっており、楽天証券は楽天カード、SBI証券は三井住友系(ナンバーレスやフレキシブルペイなど)、他にもマネックス証券やauカブコム証券なども専用のクレカがあります。証券会社とカード会社がガッチリと手を組んで顧客の囲い込みを行っています。
購入商品(投資信託)や金額の変更・停止も各社ネット(スマホ)上で簡単に変更出来ますし、売却の際も提携の銀行(楽天銀行や住信SBIネット銀行など)を口座に紐づけていれば手数料不要で資金移動が出来ます。
デメリットは設定日によって翌月の購入に間に合わず翌々月からになる(設定変更の反映も)事があるのと、解約時に翌月の買付け期限が過ぎている可能性がある事です。どちらも損をする訳では無いのであまり気にする必要は無いでしょう。
ポイント付与
現在は各証券会社が顧客獲得の為に色々なポイント制度を設けており非常にややこしいです。全てを理解し一番お得な方法を探すのは至難の業なのでお薦めしません。
考える事は2点で大丈夫です。
①クレカ積立時にもらえるポイント
注意点
券種(ノーマル・ゴールド・プラチナなど)によって還元率が違う
通常の買い物時と還元率が違う
※クレカ積立の還元率が高い(三井住友ゴールド)場合も安い(楽天ノーマル)もあります。
②購入商品(投資信託)保有時に貰えるポイント
注意点
保有していれば毎月貰えるパターンと一定額に達した時のみ貰えるパターン
購入商品によって付与率が違う
多くの場合、還元率が高い物は手数料も高いです。上位のクレジットカードは年会費が掛かる場合が多く、付与率の高い投資信託は信託報酬が高い物が多いです。またクレカ積立のみに使うならここだけ見れば問題無いですが、多くの人は普段使いのクレジットカードを使用すると思うので通常の還元率や使い勝手も大事になります。
カードの選び方
今やクレジットカードは単体では無く3つのサービス(カード・銀行・証券会社)を揃えて選ぶ時代です。どうしても作りたいカードや今使っているカードで積立をしたい場合はそのカードに連動した証券会社を選び、すでに証券会社の口座を開設していて別の口座開設が面倒な場合は証券会社に併せたクレジットカードを選びます。
券種(ノーマル・ゴールド・プラチナ)に関しては通常利用の頻度(金額)で考えます。普段の利用額が少ない(もしくは多くない)場合はノーマルカードで大丈夫です。積立額を満額で使えば貰えるポイントは多いですが、日常生活があって投資(積立)があるので将来、教育費用やマイホーム、マイカーの購入で積立がストップ(もしくは減額)する可能性があります。その時に年会費が重くのしかかって来るでしょう。逆に普段からカード利用が多い人は通常時の還元率が上がりさらにお得になる可能性もあります。
おススメの組み合わせ
会社(カードや証券)に何かしらのこだわりがある人はそれを優先すれば大丈夫です。
ここでは初めての人やこだわりの無い人、これを機に替えたい人に向けたおススメになります。
①SBI証券×三井住友ナンバーレス(ノーマル・ゴールド・プラチナ)
②楽天証券×楽天カード(ノーマル・ゴールド・プレミアム)
③マネックス証券×マネックスカード
④auカブコム証券×au payカード(ノーマル・ゴールド)
おススメはこの中でも①②になります。③④は特徴だけ書きます。
③は積立時の還元率が1.1%で年会費の掛からないカードでは最高で通常利用も1%で優秀です。
④は積立時、通常時共に1%で年会費無料は優秀。通常時のポイントやキャンペーンを加味すれば③よりも上位。auユーザーであれば④一択。
おススメ①SBI証券×三井住友ナンバーレス
三井住友カード(ナンバーレス)は券種によって年会費や還元率が大きく異なります。全ての理解とピンポイントで当てはまるかを見極めるのは困難なので年間のカード利用額のみで判断します。
※カード利用額に積立投資分は含めません。
100万円未満はノーマルカード
100万~200万はゴールドカード
200万以上はプラチナプリファード
積立投資を月3万円以上行う場合は上記の振り分けで大丈夫です。しかしそれ以下の場合はゴールドカードがベストになります。また積立投資の額に関わらずカード利用額が100万円未満の場合は三井住友のノーマルカードよりも楽天カードの方が良いと思います。
おススメ②楽天証券×楽天カード
楽天カードも券種によって年会費や還元率が変わりますが、選択基準は簡単で多くの人はノーマルカードです。ゴールドカードは不要でプレミアムカードは楽天市場のヘビーユーザーのみです。
ヘビーユーザーのボーダーは楽天市場で年間50万円(ふるさと納税含め)くらい使う人になりますが、ポイントアップの日などを上手く使える人であれば30万円程度で損はしないですし、これを機に楽天モバイルに変えるのであればボーダーはもっと下がります。
まとめ
クレカ積立は一度設定すれば強制的に定期定額で行うので貯蓄が出来ない人にも向いていますし、証券会社に支払う手数料(信託報酬)以上のポイントが貰える可能性が高いので手数料も実質無料です。
長期で資産形成(投資)を考えているならばクレカ積立は必須となります。
カード選びは悩みますが、それぞれの経済圏(SBI、楽天、auなど)のヘビーユーザーであれば上位カードを選びそれ以外の人は楽天カード(ノーマル)が良い選択肢だと思います。
投資額や運用する商品によって変わりますが、一般的な人から見て現時点で一番ポイントが貰えるのは『SBI証券×三井住友ナンバーレス(ゴールドorプラチナ)』の組み合わせです。
ポイントにこだわる(SBI×三井住友)か使い勝手(楽天×楽天)を優先するかあなた次第です。
どの組み合わせでも合格点、始めないのが落第点。投資は自己責任で。
宜しければ応援お願いします(^^)/
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