ウォーレン・バフェットとは

著名な投資家は数多く居ますが一人上げろ言われればウォーレン・バフェットの名前を上げる方は多いのではないでしょうか。その他にも世界三大投資家と言われるジョージ・ソロスやジム・ロジャースなどが有名です。日本では投資家と言うよりは経済評論家やアナリストが有名でファンドマネージャーでは『ひふみ』の藤野英人さんなどが挙げられます。皆さん素晴らしい投資成績を収めていますが、全員を語るには時間が掛かるので今回はウォーレン・バフェットに焦点を当てて見て行きたいと思います。

人物

言わずと知れた投資の神様で『オマハの賢人』と呼ばれています。質素倹約でも知られ60年以上前に30,000$で購入した家に今も住んでいる事やコカ・コーラをこよなく愛している事は有名です。
小さい頃(小学生)からアルバイトをして収入を得て11歳の時には初めて株券を買ったと言われており、投資歴は実に80年を超える事になります。大学でもビジネスやファイナンスを学び卒業後はコロンビア大学のビジネススクールに進学し、後に師と仰ぐベンジャミン・グレアムから投資について学びます。卒業後、ウォール街で働く事を反対(父とグレアムに)された為、故郷オマハに戻り父の証券会社で株式ブローカーとして働き投資の世界に深く入り込んで行く事になります。

バークシャー・ハサウェイ

バークシャー・ハサウェイは元々繊維業を生業として100年以上前に創業されました。会社は繁栄と衰退を繰り返しましたが1960年代にこの会社の価値が割安だと判断したバフェットが株を買い始め経営陣(創業家)との衝突を経てこの会社を支配しました。その後、投資業の拡大に力を入れ主要な資金源となる『ガイコ』(アメリカで2番目に大きい自動車保険会社)を取得し投資業のスタイルを確立させるとともに会社の生業であった繊維業を終了しました。その後は保険業以外にも輸送、公益、エネルギー、金融など様々な会社の株式を取得し巨大コングロマリットへとその形を変えて行きます。色々な事業に関わっていますが、バークシャー・ハサウェイの実情としては会長であるバフェットと盟友で副会長のチャーリー・マンガーが率いる投資ファンドと言って差し支えないです。その証拠にバフェットは自身の長期的な目的を会社(バークシャー株)の価値(1株あたりの収益率)を最大限に高める事であると明言しています。

投資手法

バフェットは一般の投資家に向けては手数料の安いインデックスファンドと債権に投資する事を薦めていますが、自身は個別企業への集中投資を行っており理解出来ない(事業内容が分からない)ものは買わないと決めています。現在バークシャーのポートフォリオ最大の銘柄は『Apple』ですが、それ以外の大手ハイテク企業は保有していません。(IBMを結構な比率で保有していますが、理由は高配当だからと言われています。)
基本的にはオールドエコノミーと呼ばれる様な昔から人々に馴染みのある会社が多いです。アメリカン・エキスプレスやコカ・コーラがポートフォリオの構成上位に長くある事は有名で配当銘柄も多く含まれますが自身の会社(バークシャー)は無配を貫いています。それはおそらく1株あたりの価値を最大化する為には得策ではないと考えての事でしょう。
バフェットの名言の一つに『普通の会社の株を魅力的な価格で買うより、魅力的な会社の株を普通の価格で買うほが良い』と言うものがあります。株の保有期間を長期で考えると素晴らしい魅力を持った会社の株価はいずれ大きく上昇し、収益を株主に還元し続けてくれるという意味でしょう。

盟友・後継者

バフェットの盟友と言えばチャーリー・マンガーですが、二人は60年以上もの長き渡り同じ道を歩んできました。マンガーの能力や実績は素晴らしい物で元々は弁護士で最高峰とも言われるハーバード大学のロースクール出身でもあります。二人の関係性は多くの人が知るところですが、興味深いのはマンガーが共和党員でキリスト教徒であるのに対しバフェットは民主党員で宗教に対して懐疑的である事です。支持する政党が違い思想も違うと本来なら上手く行かないところですが、各々が卓越した能力を持ち互いにその考えを尊重していたからこそバークシャーはここまで大きくなったのでしょう。残念ながらチャーリー・マンガーは昨年99歳でこの世を去りましたが残した実績とその意思は次世代に引き継がれいくでしょう。
そしてもう一人がバークシャーの社外取締役に名を連ねる元マイクロソフト会長のビル・ゲイツです。バフェットが60歳を超えてから出会った二人は年の差25歳ながら30年以上に渡って関係が続いており盟友と言うよりは親友です。世界有数の大金持ちである二人は寄付や慈善活動に対しても協力をしており、その活動の価値(大きさ)は計り知れないものがあります。

バフェットも90歳を超える高齢である為、後継者問題は常に言われてきました。二人の後継者候補の名前が挙がっていましたが、かねてより指名していたバークシャーの取締役であるグレッグ・アベル氏に対して同社の株主総会の場で『100%満足している。他の選択肢は無い』と明言しました。アベル氏はバークシャーのエネルギー部門を米大手の会社にまで成長させた実績を持ちその手腕は確かだと思いますが、これまでのバフェットほどの投資成績を収め続けられるか分かりません。実際にトップ交代が行われた時、バフェットの影響力がどれだけ残るか分かりませんが、バークシャーの投資戦略も少なからず変更して行くことになるでしょう。

終わりに

Amazonの創業者で同社を世界のトップに押し上げたジェフ・ベゾスもAmazonほどの大企業でも一つの会社が永遠に続くことは無いと言っており、一つの会社が一つの事業で長く運営される事は奇跡に近いと言う事です。バークシャーも繊維業から保険やエネルギーなどの事業に転換し、投資事業を併走する事で新しい事業を模索する、そうして大きく持続的な成長を続けて来ました。オールドエコノミーを好み最新のハイテク産業を手掛けている訳ではないのに時価総額では世界のトップ10に入るまでに大きくなりました。バフェットが言う『魅力的な会社の株を普通の価格で買う』とはまさにバークシャー・ハサウェイの株を普通の価格で買えと言う事ではないでしょうか。

バークシャーの成長には大きな期待をしています。トップが交代する会社への投資は自己責任で。
宜しければ応援お願いします(^^)/

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