GPIF

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と言う名前を聞いた事はあるでしょうか?株クラ界隈では当たり前の様に聞く名称ですが、投資などに興味がない人、新NISAを始めたぐらいの人は知らない人は多いと思います。何をやっているかは読んで字のごとくで我々が毎月”積立”て(払って)いる”年金”保険料の一部を”運用”(投資)、”管理”している団体です。GPIFがメディアで取り上げられるのは年間(もしくは四半期)の運用成績が悪い(マイナス)時がほとんどでこれまでの運用実績などはあまりに扱われません。運用に使われるお金は我々のお金で将来受け取る年金に影響を及ぼす事なのに扱いが非常に小さいです。我々に支払われる年金やこの団体がどの様な運用をしているのか見て行きます。

年金制度

そもそも日本の年金制度は現役時代に納めたお金を老後に貰う制度(積立)ではありません。会社員が給料から天引きされている厚生年金は収入に応じて支払う金額が増えます。納付額が多い人は年金も多くなる為、一部は将来の為の積立と言えますが「国民年金」にあたる部分は現役世代が払った保険料を高齢者に年金として支払う事が基本になります。つまり現在の日本の様に少子高齢化が進むと入って来る年金保険料が減り、支払う年金が増える事になりいずれ破綻する事は間違いありません。

GPIFの役割

100年安心と言われた年金制度(究極の自転車操業)が急激な少子高齢化によって破綻のリスクに晒される事になりました。現役世代が払う保険料と国庫負担(国が補填)分で賄う事が難しくなった為に積立ててきた保険料を運用し、その利益を将来の年金財源として利用(分配)する事を目的に運用が開始されました。GPIF自体はそれ以前から存在しますが、厚生労働大臣から寄託され年金資金の運用を開始したのは2001年からになります。つまりGPIFが運用をしなければ(もしくは失敗を繰り返せば)将来の年金が減る(もしくは破綻する)事は間違いないのでGPIFの役割は非常に重要になります。

運用方針

GPIFの基本方針は4資産(国内債券、外国債券、国内株式、外国株式)への均等(各25%)投資で許容範囲を超えて乖離すると調整を行いますす。他にオルタナティブ投資(不動産や非上場株式、インフラなど)も行っていますが、ポートフォリオに占める割合は2%以下です。基本方針(4資産均等)で実績を上げているので今後も大きな方向転換は無いと考えられます。

運用実績

では実際の運用成績はどうなのか?見て行きましょう。
2023年第3四半期までの累積収益は+132兆4113億円(うち利子・配当収入が50兆5529億円)です。
この数字を見てどう思われますか?私は単純にすごいと感じています。一番関心するのは利子・配当収入です。当たり前ですが失敗が許されない投資なので個人とは取れるリスクは大きく違い安全第一の為、インカムゲインの比率は高くなります。インカムゲインは積み上げていくので進みは遅いですが、確実性は高く単年で見れば2022年度が3.7兆、2023年度(4~12月)が3.5兆と着実に積み上げています。キャピタル(値上がり)のマイナスにより年間(もしくは四半期)収益がマイナスになる事はあり、これまでの22年間を年単位で見た場合マイナスの収益は7回ありました。7回のマイナスは少ないとは言えませんが、ドットコムバブル、リーマンショック、コロナショックなどの世界的株安を除けば2回(しかも1回は-0.25%の微減)のみで個人投資家なら万々歳の成績だと言えます。

まとめ

政府が進める新NISAでの投資、その中でも特に強調されているのが「つみたて枠」(旧つみたてNISA)でそれに採用されている銘柄の期待リターンは3~7%程度が多い事を考えると、GPIFの平均収益率約4.3%はかなり優秀であると言えます。しかしメディアが大きく取り上げるのはマイナスが多かった時でこれまでの実績や翌年のプラスに関してはあまり報じられる事はありません。
※マイナス収益が続いた時(2回)以外の翌年は前年のマイナス以上のプラス収益を出しています。
マイナスが真実であっても不安を煽る部分だけを取り上げても意味は無いでしょう。専門家によるプラスの情報が同時に流れる事を期待したいです。

悪意ある報道に負けず、GPIFには頑張って欲しいです。個人年金は自己責任で。
宜しければ応援お願いします(^^)/

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