投資を始めて利益が出始めると何とも言えない嬉しさがこみ上げてきます。その次はどこまで増えるんだろうと複利の計算をして将来の資産に笑みを浮かべる人も多いと思います。投資界隈(ブログやYouTube)では資産額によって層を分類する資産ピラミッドをよく目にします。人はピラミッドを見るとどこまで行けるのかその数字に取りつかれてしまう事もしばしばあります。今回は資産額について考えたいと思います。※自身の金融資産が多くないので上位層(億り人)の事は全て想像です。
資産ピラミッドとは
資産ピラミッドとは世帯の純金融資産保有額をピラミッド状にして存在割合(%)を示したものになります。金融資産とはモノとして形はないが現金と同等(換金して評価出来る)の資産を指し、現金・株式・債権などになります。逆に家や土地、車や貴金属、美術品などは実物資産です。
”純”金融資産は金融資産から負債(住宅、自動車、カードの各種ローンなど)を引いた額になります。
この純金融資産の額によって層を分け、割合を示すのが資産ピラミッドとなります。
住宅ローンを組んでいる人は金融資産に入らない家があり、ローンが負債に入る為、賃貸で同じ額の金融資産を持っている人よりも純金融資産が圧倒的に少なくなります。
※個人的には住宅ローンの返済メドがたっているのであればどちらも計算から外していいと考えています。
超富裕層(5億円以上)
これはもう天井人ですね。給与所得だけでは大企業でどれだけ出世しても届かないでしょう。基本的にはオーナー社長か資産運用(株式や不動産)もしくは莫大な相続が無ければ無理でしょう。おそらくですがこの層に到達する人の多くはここを目標にしている訳ではなく、本業や資産運用に力を注いだ結果としてそうなっただけでしょう。ちなみに割合は0.2%と圧倒的に少ないですが、数にすると8.7万世帯と以外に多いと思いました。大企業(一部上場など)に夫婦で勤めているパワーカップルが堅実に資産運用をすれば届く数字かもしれません。
富裕層(1億~5億円)
この層がいわゆる勝ち組と言われるラインではないでしょうか。割合は2.3%で124万世帯がこの層に入ります。日本もようやくデフレの終わりが見え物価が上昇(インフレ)し始めたので現金の価値は少しずつ下がって来ますが、それでも1億円というのは一つの大きな目標にはなります。それだけの資産が必要かどうかは別としてサラリーマンが資産運用を続けるなら目指してみたい金額です。
準富裕層(5,000万~1億円)
今、流行りの各種「FIRE」や早期退職をするなら必要(目標)となる金額でしょう。割合は6.3%の約340万世帯。大手企業に定年まで勤めて浪費癖が無く退職金を受給した人はこれくらいの資産を保有していると思います。また個人投資家の中にもリーマンショック後の米ハイテク銘柄への集中投資が成功した人などいくつかの達成パターンがあると思います。ここまでの3層合計でも割合は10%未満なので金融資産が5,000万を超えると日本の上位10%に入る事になります。時間は掛かるかもしれませんが、ここまでは到達しよう(したい)と思います。
アッパーマス層(3,000万~5,000万円)
全体の13.2%、712万世帯が入り上位20%くらいまでがここにあたります。充分な資産の様に思えますが2019年に起きた「老後2,000万円問題」から今後の物価高を加味すると今後は「老後3,000万円問題」になると考えられます。つまり下限の3,000万は生活費に消えてしまうので余裕があるとは言えません。今のままだと上位20%に居ても普通に生活するのが精一杯で贅沢はあまり出来ない事になります。
マス層(3,000万円未満)
最後は全体の約80%を占めるマス層(約4,200万世帯)になります。マス層ならダメか言うとそうではありません。第一に若年層、当たり前ですがサラリーマンであれば収入はそこまで多くありません。第二に一人世帯、この統計は世帯ベースなので夫婦や親子などで世帯の中で複数人が働いていれば世帯収入が増え資産も多くなります。若年層はこれからの資産を積み上げていくので問題ありませんが、40代以降は残りの現役年数から逆算して目標を達成出来るか計算をする必要はあります。
本来、資産ピラミッドはここまでの5階層で終わりなのですが、マス層をさらに細かく5層に分けるバージョンがあります。多くの人がこの層に当てはまる為、見て行きたいと思います。
準アッパーマス層(2,000万~3,000万円)
アッパーマス層まであと一歩のこの層は定年後であれば今後の人生設計を慎重に考える必要がありますが、順調に資産を積み上げて40~50代を迎えているのであれば引退(定年やFIRE)の時期を間違えなければ大丈夫だと思います。
勘違いしやすい層(1,000万~2,000万円)
名前の通り1番危ない層だと思います。一般的なサラリーマンであれば節約や倹約、積立のインデックス投資などを(過剰では無く)適切に行ってようやく到達するのが1,000万円で、心理的にも一つの大きな区切りになります。到達したことで安心してしまう事と投資の場合1,000万を超えると複利の力をかなり実感出来る様になります。その為「自分は投資が上手い、このままもっと増える」などと勘違いをしてしまう事が原因です。「勝って兜の緒を締めよ」と言ったところでしょうか。
一般ピーポー層(100万~1,000万円)
この層に当てはまる人はマス層の中でもかなり多いと思います。若年層は仕方ない(無理に貯金や投資をせずに経験に使うべき)ですが、それ以外は投資などをせず残ったお金だけを貯金している様な人に多いと考えます。自身がどこに当てはまるか理解を深め、しっかりとして資産計画を立てる必要があります。
ワーキングプア層(0~100万円)
ここは働き方(非正規雇用など)やカードの返済(リボ)などに問題を抱えている人が多いと思います。例外として奨学金の返済に追われるサラリーマンも含まれる可能性はありますが安定した収入があってこの層にいる人は今すぐに家計と生活を見直す事をおススメします。
底辺貧困層(借金)
特殊な事情(病気やケガ、他人の負債など)以外でここにいる人は問題しかありません。収入以上にお金を使うなんて以ての外です。生活と言うか生き方を見直す(考え直す)必要があると思いますが、人それぞれなので文句はありません。頑張ってくださいのみです。
終わりに
富裕層以上はよくわかりませんがそれ以外は多くの人が通ってきた(もしくはこれから通る)道だと思います。やり方は色々ありますが私自身はイチロー選手の名言の様に『小さいことを積み重ねる事が、とんでもないところへ行くただひとつの道』だと思っています。皆さんもコツコツと積み上げてとんでもないところ(富裕層)へ行ってみたいと思いませんか?
確実に一歩ずつ登るべきだと思います。一段飛ばしの投資は自己責任で。
宜しければ応援お願いします(^^)/
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