14日、楽天グループが決算を発表し、23年12月期の連結最終損益は3,394億円の赤字でした。前年の3,372億円の赤字から改善は見られましたが、それでも過去2番目の大赤字です。決算発表の風物詩の様にYouTubeなどで解説や面白おかしく取り上げられる楽天の決算ですが、今回は赤字の原因である楽天モバイルの先行きと実際に契約を考えるならどうなのかを考えて行きたいと思います。
楽天とモバイル事業の現状
楽天の赤字は5年連続で家計はまさに火の車、24年からの2年間で8,000億円とも言われる社債の返還とさらに今回の決算を受けて楽天グループは無配を発表しました。財務基盤の安定を優先するとの理由は事実でしょうが、配当を支払う余裕はもう無いと言うことでしょう。これだけの規模の会社が倒産すると日本経済に与えるダメージが大きすぎる為、銀行も簡単には見捨てないと思いますが猶予はもうありません。22年末まで4年間下がり続けた財務(損失や利益率)が23年末は(赤字ですが)回復の傾向が見られました。24年もこの回復基調が続けば黒字化に向けて明るいですが、もし鈍化すれば見捨てる銀行や機関投資家は出てくるでしょうし、万が一財務状況が悪化する事があればグループ解体(倒産)はいよいよ現実味を帯びてきます。楽天に関しては多くの評論家が厳しい意見を述べており財務状況を考えればその通りなんですが、三木谷社長は社債の償還やモバイル事業の黒字化などに対してあくまでも前向きな姿勢を崩しません。
モバイル事業は黒字化達成に必要な契約者数800万回線の年内達成を目標に掲げていますが、中々厳しい数字です。23年は前年末から約36%増の609万回線だったので今年も同じ伸び率を達成すれば800万は超えますが、そんなに簡単ではなく増えても黒字になる訳ではありません。
※一時的ではなく継続利用者を確保をして単価も上げる必要があります。
つまり800万回線で黒字という簡単な問題ではなく、これまでに借りたお金の返済や莫大な社債の返還など、これまでの赤字を上回る様な黒字を今後出して行かないと倒産と背中合わせの自転車操業は続きます。楽天に対して繋がりにくいといったイメージが未だに強く、敬遠している人は多いでしょう。実際に繋がり易さや速度は場所によってまだまだ差があると思いますが、KDDIなどでも大規模な通信障害は発生しておりリスクはどこにでもあります。
Rakuten最強プラン
楽天モバイルの料金は「Rakuten最強プラン」一本で非常に分かり易いです。
使用した通信量に対して段階的に上がって行き最大で3,278円で使い放題(無制限)になります。
各段階で見ても1,078円(3GBまで)、2,178円(20GBまで)、3,278円(20GB~)それぞれに優秀な料金で3GBと20GBでは上位クラス、無制限では最上位と言えます。
※楽天市場で1万円/月程度買い物をする人であれば全て最上位と言えます。
先日発表された家族割は考慮していませんのでそれを加味すればさらにお得になります。
アリかナシか
ヘビーユーザー(無制限)はアリです。むしろこれ一択です。通信量を気にするストレスもありませんし、パソコンを持たずにスマホとタブレットの利用だけであれば自宅回線も必要無くなるので通信費としてまとめて3,278円は格安だと思います。
20GBは微妙なラインです。10GB程度で収まるなら他にも安いMVNOはあるので通信量がアバウトなら楽天もアリですが、安定しているなら各々の通信量にあったキャリアの方がいいと思います。
3GBは楽天市場の利用と家族割の両方があれば間違いなくアリ、片方でもアリ、どちらも無い人は好みですが、そもそも楽天市場の利用が無い人が楽天モバイルにする必要は無いでしょう。ただし、3GBに抑える事が絶対条件です。これが守れない可能性があるなら辞めておいた方がいいでしょう。
当たり前ですが、自身の生活(活動)エリアの通信状況が良い事が大前提です。
まとめ
楽天はモバイル事業が足を引っ張ていると言われますが、ここまでの負債(設備投資)になるとモバイル事業を切り離してもダメージが大き過ぎます。他の事業がいかに好調でもモバイルの赤字と綱引きをすれば負けてしまうのでモバイル事業が黒字化しなければ楽天は終わります。囲い込み戦略(いわゆる経済圏)によって事業規模(利益)を拡大させようとする楽天にとってモバイルは全てのサービスを繋げる生命線なので手放す時は倒産でしょう。ただこの状況下においても三木谷社長は問題ない、目途が立っていると言った物言いで強気な態度を貫いています。
終わりに
楽天は無配を発表したにもかかわらず、株主優待をすべての株主に対して「30GB/月 の音声SIMを1年間無料提供する事」にグレードアップしました。これは現在の楽天モバイルの料金体系から考えれば単純に3万円近い価値で優待利回りで考えると約47%(100株保有)にもなります。どこまでもモバイルに執着する姿勢は狂気とも言えますが将来、偉人と呼ばれる人はこれくらいの狂気を宿しているのかもしれません。個人的には大復活する事を願っています。株主優待もポイント付与も資金も全てモバイル中心動き始めた楽天の行きつく先は天国か地獄かそれとも・・・。
楽天のサービスを使い続ける勇気はありますか?私はアリます!経済圏の利用は自己責任で。
宜しければ応援お願いします(^^)/
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