昔はポイントと言えば各店舗のポイントカードを持っていて買い物をすればスタンプを押して貰い一定数が貯まれば店舗でクーポンとして利用出来るといった、今では考えられないくらい原始的なシステムでした。その後はポイントカードのバーコードをスキャンするタイプに代わり、スマホアプリへと変貌して行きました。
その中で誕生したのが楽天ポイントですが、昨今は何かあれば改悪だとやり玉に挙げられるのが定番になっていますが、その功績の大きさは計り知れないと言えます。今回は楽天ポイントのこれまでとこれからを考えたいと思います。
楽天ポイント
言わずと知れた楽天ポイントですが、これまでの総発行ポイントは約4兆とも言われています。近年は年間で約6000億程度を発行しています。今では当たり前になりましたがネットに限らず多くの店舗でポイントが貯まり、そして利用出来る様になり店舗独自のポイントにプラスして貯まる(2重取り)事も珍しくありません。そして素晴らしいと感じているのがポイントの失効率です。その割合はおよそ2%です。もちろん有効期限が無いのがベストですが、通常の買い物や楽天のサービス利用以外で貯まるポイント(ポイ活や2重取り、ボーナスポイント)などは期限があってもいいと思います。そんな中で失効率は2%に留まり、ポイント利用でもポイントが貯まるという仕組みは利用者の側に立った非常に優秀なサービスだと言えます。
これまで
楽天ポイントは約20年前の2002年にサービスを開始しましたが、当初はそれほど伸びず2005年の楽天カード発行開始後も少しずつは伸びていても急激な成長は見られませんでした。その後様々なサービス(ポイントカード、SPU、ペイ、証券)が展開されますが、転機となったのは2013年のプロ野球「東北楽天ゴールデンイーグルス」の優勝(日本一)だと考えています。2013年秋に行われた楽天市場の優勝セールは凄まじい勢いでした。これまでプロ野球の優勝セールは主に球団の地元や関連企業(百貨店やスーパー)などでのセールがメインだった為、近くに住んでいる人と中高年がターゲットであったと思います。しかしネット通販に強みを持つ楽天が優勝した事で遠方や年齢に関係なく全ての人が買い物をする事が出来る様になり、その勢いで一気に広がったと思います。その後は絵に描いた様な右肩上がりに発行数を増やして行きました。
現在地
現在も多くの人が利用していてトップではありますが、PayPayポイントやVポイントが猛追しておりその後ろにはPontaポイントやdポイントが上位を狙っています。他にもポイントをAmazonギフトに換えたりマイルで貯める人も多いです。冒頭でも書きましたが近年はサービスの変更(改悪)が頻繁に行われ迷走している様に思えます。しかし2023年後半に発表された変更で明確に楽天モバイルユーザーを優遇する姿勢が示されました。様々なサービスを展開し、ポイントで経済圏を築いて来た楽天がその中心にモバイルが鎮座しました。
これから
スマホの普及で様々な事が繋がる様になった今、ユーザーは一つのサービスの優劣ではなく自身の生活を中心とする経済圏で物事を考える(判断する)様になりました。デバイスがスマホから別の物に代わる可能性はありますが、何かしらのデバイスによって様々なサービスと繋がる事が出来るシステムはこれからも続くでしょう。つまり経済圏という概念が無くならない以上、囲い込みにポイントが発行され続けると見ています。
ポイントによる経済圏を壊すにはポイント還元分を値下げに充てて価格を下げる戦略しか無いと思います。つまりAmazonやコストコのやり方です。サブスクリプションサービスで会費を集め、価格とコストパフォーマンスを徹底的に追及する「数の力」で押し切る戦略です。
サービス(使い勝手)を得意とする『日本的手法」と数の力(コスパ)を得意とする『米国的手法』の戦いを制した方が今後の覇権を握る事になるでしょう。
終わりに
今のところ楽天ポイントが優位な状況は変わらないですが、その優位性が薄くなっている事は確かです。どの企業も今後ポイント(経済圏)争いを優位にするにはユーザーに自社の製品やサービスを使ってもらう必要があり、それは「お金」を使ってもらう必要があると言う事です。ユーザーがお金を払ってでも使いたいサービス(製品)を提供し続けないと、ポイント(経済圏)の未来はありません。
私自身もこれまでに色々なポイントサービスを利用して来ましたが、楽天ポイントの利用が圧倒的でかれこれ60万ポイントくらい貰っています。かなりお世話になっているので楽天にはぜひ頑張って頂きたいと心から思っています。
今や現金と同じ価値を持つポイントを軽視するのは愚策です。ポイ活は自己責任で。
宜しければ応援お願いします(^^)/
コメント