年金生活

物価高を背景に生活が少しずつ苦しくなっている人は多いと思います。最近は月末が近づくと「来月から何品目値上がりします」と言ったニュースをよく目にします。円安や賃上げ、物流費の上昇(2024年物流問題)など様々な要因で物の値段が上がっています。現役世代は支出が多い分、見直しの余地がありますし、副業・転職など収入を増やす方法を考える事も出来ます。しかし年金生活に入った人は同じ様には行きません。今回はそんな年金生活を送る人の現状を見ながら自身の未来(老後)を考えて行きます。

年金支給額

年金の支給額は厚生年金(主に会社員)か国民年金(個人事業主など)かで大きく変わります。納付額が違うので受取額に差が出るのは当然ですが、その差は小さくありません。
国民年金は満額で約81万円(68,000円/月)程度の為、それだけで生活するのはほぼ不可能です。1人暮らしなら絶望的で夫婦2人(約13.5万円)で持ち家なら切り詰めてギリギリの生活、何かあれば破綻と言うレベルです。
厚生年金は現役時代の収入によって違うのでモデルケースや中央値、平均値を用いる事が多いです。貯蓄額などの場合、平均値は一部の人によって引き上げられる事がある為、実態と乖離する事が多いですが、年金に関しては上限が存在する為、平均値を用いても大きな差にはなりません。
厚生年金は月額で男性平均:約16.4万円、女性平均:約10.5万円、全体平均:14.4万円となっています。全体平均で見れば国民年金の約2.1倍となっています。
夫婦2人の年金額目安
2人とも国民年金の場合:13.6万円
会社員と主婦(夫)の場合:17.3~23.2万円
2人とも会社員の場合:26.9万円

年金生活

そもそも生活が苦しくなる原因は「収入<支出」の状態に陥るからです。特別な事情が無ければ老後の生活費が急激に上昇する事は無くおそらく現役時代の7~8割程度が普通だと思います。収入を増やす事が難しい高齢者がこの状態を回避する方法は支出をさらに減らすか貯蓄を切り崩す事で収入(年金+切り崩し額)を確保するかです。支給額から考えると個人事業主の方は長く働き、会社員の方は収入内(年金+貯蓄)で生活する事になりますが、実際は物価高の影響で貯蓄の切り崩しが加速しており、高齢者はどんどん貯蓄が減っていくと嘆いている様です。減る貯蓄が有るだけマシだと言う人もいますが、厚生年金は上限があり現役時代の収入がどんなに多くても一人が貰える最大額は約30万円で基礎年金分を足しても約37万円です。妻(夫)が国民年金だった場合、併せて約44万円です。これだけあれば余裕で生活出来るように思えますが、これだけの年金を貰おうとすると現役時代の平均月収が100万円は必要になり、給料の上昇を加味するとピーク時の月収は150~200万(手取り100~140万)くらいになります。つまり現役時代の3~4割の手取りで生活する事になります。一度生活水準が上がった人には苛酷な現実で貯蓄がどんどん減って行くのがよく分かります。

老後を考える

若いうちから老後の事を考えるのは大事ですが、決して楽しくはないでしょう。20代は自分の事(もしくは何も考えず)、30代は自身の家庭(結婚していれば)の事を考え、40代になって自分の親が年を取って行くのを見ながら自身の老後について考えればいいと思います。
※ただし貯蓄や投資は早めから
やるべき事は生活のダウンサイジングで全ての物を縮小したり、切り捨てたりするのではなく10~20年かけて絞って行く家計のダイエットです。一気にやると間違いなくリバウンドするので徐々にです。
老後にしたい事を考えるのも大事ですが、やる事が多いと結局お金が足りなくなるのでまずはダウンサイジング、それが進んでくると比例してお金が貯まってきます。それが将来のやりたい事の原資になります。先の事を考えたり、コツコツやる事が苦手な人ほど今のうちから少しずつでもやっておかないとやる事が溜まり過ぎて手遅れになる可能性が高いです。
面倒くさいですが、一生の事と考え頑張って行きましょう。

結局老後を考えるとは現在を考える事になります。老後計画は自己責任で。
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