定員割れ

大阪府の教育現場に異変が起きている様です。公立高校70校が定員割れとなる事態が発生しており、過去最低の数字となっています。大阪の公立高校は145校、つまり半数近い高校で定員割れを起こしており、原因は少子化以外にもあるのか?そしてそれは改善されるのか、考えて行きたいと思います。

志願者数

通常、私立高校と公立高校の両方を受験(併願)し、両方合格した場合は公立高校に進学します。どうしても行きたい私立高校がある場合は私立高校のみを受験(専願)します。特別な学科を勉強したい場合や部活動などに力を入れる場合に名門と呼ばれる私学を選択する為に専願を選択します。専願者は公立高校を受験する事が無い為、この人数が増えると公立高校の入学者が確実に減る事になります。大阪では今年の専願者数が31.64%となり過去20年で初めて3割を超え、公立志願者は現行制度以降で過去最低の人数を記録しました。その結果として定員割れの公立高校が急増しました。

原因

少子化以外の原因は何なのか?理由は大阪維新の会が中心となって進めた大阪府の高校授業料無償化が原因です。これまでの政策では親の年収や子供の人数によって負担額にバラつきがありました。高校は義務教育ではありませんが、進学率を考えるとほぼ義務教育です。その教育を受ける権利について年収や子供の人数で差を付けるべきでないと言うのは理解できます。親の負担を減らす事は少子化対策の一助にもなるでしょう。しかし公立高校と違い私立高校は何かしらの特色を持った学校が多く設備も充実している為、授業料が高くなります。これまでは一定額(60万もしくは63万)を超える分は保護者負担だったので補助はあっても私立に通うと負担はそれなりに必要でした。それが段階的(3年後)にではありますが完全無償化になると保護者の経済的負担が無くなる(もしくは減る)為、選べる高校の幅が広がります。本人の希望もありますが親の立場としても子供の個性を伸ばせる学校や同じ目的を持った子供が集まる学校に通わせたいと思うものだと思います。

改善方法

手っ取り早い改善案は無償化を辞める事ですが、それはおそらく無理でしょう。維新の会の創設者でもある橋下徹元大阪府知事はこの政策に対して公立であれ私立であれ淘汰されて行く事は仕方がないとおしゃっていました。発言の一部を切り取ると付いてこれない者を切り捨てている様に見えますが、何の政策も施さ無ければ多くの学校はいずれ統合されて無くなって行きます。つまり少子化が進めば放置しても無償化してもいずれ多くの高校が無くなる事は明白なので、改善しても意味が無いと言えます。改善案を探すよりも雑音に負けず突き進み痛みを最小限に抑える事が大事だと思います。

終わりに

大阪府の府教育庁はこの政策により私立人気が高まる事を想定はしていたが想像以上の数字で「衝撃が走った」と表現しています。前段で少子化が進めばいずれ減る運命だと言いましたが逆に言えば子供の数が増えれば定員割れは起こらない(学校数は減らない)です。現在の少子化はすでに「衝撃」のレベルに達しておりその影響が教育の現場に来る事を想像出来ていないのが驚きです。
パイ(子供)の数が減っているのにいつまでも器(高校)の数を維持出来ると思うのは浅はかです。税金を適切に使い定員オーバーになる様な強い(良い)学校を作り上げる事に尽力して頂きたいと思います。

少なくとも子供にとって選べる学校が増える事は良い事です。進学は自己責任で。
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