日本ではコロナがおさまりを見せ始めた2022年くらいから値上げラッシュが始まりここ2年は頻繁に値上げのニュースを見る様になりました。併せて賃上げも行われていますが、こちらは物価価格の上昇に追いついていないのが現状で実質賃金は下がり国民の生活は少しずつ苦しくなっています。
利上げはあるのか、値上げや賃上げはまだまだ続くのかそして続いたらどうなるのか考えたいと思います。
結論
利上げは今すぐにでもするべきです。何度もタイミングを逃していると思います。経済への影響は上げてから考えても間に合います。
値上げは緩やかに続きます。続かないと日本経済は良くならないし、家庭にとっては楽ではありませんが、今よりは下がる物もあると思います。
賃上げは続きますが、東京以外の都心部は緩やかで地方は加速する可能性があります。
利上げ、値上げ、賃上げの『3上げ』がバランスよく起これば経済は良い方向に向うと思います。
政策
コロナが流行っている頃は政府が助成金や補助金そして10万円の給付金など市場にお金をどんどん供給していきました。供給の量やタイミングに問題はあったかもしれませんが、政策の方向性としては間違っていなかったと思います。市場に流れるお金が多くなるとインフレに(お金の価値が低く)なり、少なくなるとデフレに(お金の価値が高く)なります。その為に政府(中央銀行)は利上げと利下げで流れるお金の量を調整し極端なインフレ・デフレを起こさず緩やかな経済成長(約2%=インフレ率2%)を目指します。しかしコロナの行動制限が緩和され経済活動が戻り始めた時に米国は利上げに舵を切り2022年~23年にかけて金利を上げ続けましたが日本は未だにゼロ金利を続けています。
値上げ
結果論ですが昨年は利上げをするタイミングだったと思います。しかし利上げは経済冷え込むので日本銀行は慎重になり見送りました。そして時を同じくして始まったロシアのウクライナ侵攻により原油や穀物価格が上昇し、地政学リスクによって物価高を引き起こしました。さらに米国が利上げを続けた事で円安が急激に進み輸入品の価格も上がりました。戦争は続いていますが流通は少しずつ回復し、米国の利上げも止まったので急激な値上げは収まると思いますが、緩やかな上昇は続くでしょう。企業としても一度上げた給与を下げる事は出来ず維持もしくはさらに上げる為にも自ら値下げに転じる事は考えづらいでしょう。これまでの日本経済は同業他社が値下げをすると競争に負ける事を恐れて値下げを繰り返して来ましたが、それでは国内の競争で生き残りは出来ても外資との争いに勝てない事になります。
本当の意味で生き残る為には値下げするどころか少しでも値上げを続ける必要がある事になります。
利上げ
経済の冷え込みが確実であっても利上げはするべきです。どこまで経済に影響があるのか頭のいい人達(日銀や官僚)は試算していると思いますが、ゼロ金利を実行する時も景気が良くなると試算したはずです。でも想定通りに景気は良くならなかった事は明白で利上げ時の試算も確実性はありません。それならばまず利上げをしてから考えるべきで、予測としてはそこまで悪くならないと考えています。理由としては米国の利下げと日本の利上げが重なれば為替が円高に大きく動く可能性が高く、輸入企業にとっては強い追い風になります。輸入価格が抑えられると国内での販売価格上昇も抑えられ購買意欲は低下しません。そもそもゼロ金利は非常時の応急処置的な政策であってこれを常用している事が異常であり愚策です。米国の様に1~2年で5%まで上げるなら別ですが、日本では1%上げるのも1年掛かりでしょう。引っ張り過ぎると期待感が大きくなり過ぎるのでさっさと小幅に上げればいいと思います。
利上げはするかしないではなく『する』の一択で、いつするかも『すぐ』の一択でどこまでするかを影響を見ながら考えればいいと思います。
賃上げ
賃上げは今後も続きます。『経団連』や『連合』が賃上げを求める強い声明を出しています。政府の意向もありこの圧力が弱まる事は考えづらいですが苦しい会社は余りにも多いと思います。よく大企業と中小企業を分ける言い方をしますが、実情は『大・中企業』と『小・零細企業』で分かれている思います。『小・零細企業』の賃上げは本当に難しいです。理由は2つで一つは『大・中企業』が先に賃上げをして人材がそちらに流れると人材不足になり売上・利益の維持が難しくなる。もう一つは値上げを客(大・中企業)が受け入れなかったり、値上げを嫌って別の業者に乗り換えられてしまうと体力が持たず経営危機に陥ります。経団連や連合は下請けの小さいな零細企業が元請けに対して(かりそめではなく)本当に値上げが出来ているか厳しくチェックする機能(ルールや法律)を提示欲しいと思います。
また地方を中心に外資の大手企業が誘致される事で時給が最低賃金から掛け離れて高騰しています。周りの零細企業や個人商店などの自営業者は廃業に追い込まれるでしょう。全体の底上げの為にそういった人達を見殺しにするつもりでしょうか。日本には日本のやり方があると言ってこれまで諸外国の方法を取り入れなかったのに結局外資に好きなようにやられている責任は経団連や連合には無いのでしょうか。もう少し考えた方がいいと思います。
終わりに
どの企業も従業員の待遇向上(改善)をしたいと思っています。しかし体力(利益や内部留保)が少ないのが実態です。銀行の借り入れにしても大企業はメガバンクから大きなお金を融資される為、利息も抑えられますが、零細企業や個人商店は地域の信金などから借りる為、利息も割高になります。
利上げも値上げも賃上げも全てはお金が循環する事で可能になります。小・零細企業が値上げ出来る政策が実行される事を切に願います。日本の大手も世界で見ればほとんどが大した規模ではありません。世界のビッグテックが本気になれば喰われて終わりです。
小・零細企業の底上げが無ければ日本経済は早晩終わります。日本企業への投資は自己責任で。
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